アディゼロは見た目こそ同じ系統に見えますが、実際にはフルマラソン本番向けの厚底レーサーから、5kmや駅伝で鋭さを出しやすいモデル、毎日のジョグで使いやすいトレーナーまで役割が細かく分かれているため、名前だけで選ぶと想像より硬い、逆に柔らかすぎる、距離が伸びると脚が残らないというミスマッチが起こりやすいシリーズです。
とくに最近のアディゼロは、アディオス プロ 4、タクミ セン 11、ボストン 13、EVO SL WOVEN、ジャパン 9、SL2、アディオス 9、プライム X3 STRUNGのように選択肢が増えており、速い人向けのブランドという印象だけで決めると、自分の走力や普段の練習内容に対してオーバースペックになったり、逆に物足りなさを感じたりしやすくなっています。
この記事では、ランニングシューズとしてのアディゼロを前提に、どのモデルがどんなランナーに合うのかを先に結論から整理し、そのうえで距離別、レベル別、使い分け別に選び方を掘り下げるので、初めてアディゼロを買う人も、手持ちの一足をアップデートしたい人も判断しやすくなります。
人気や話題性だけでなく、フルマラソン本番で使うのか、テンポ走を主役にしたいのか、ジョグでも気持ちよく走りたいのか、厚底の助けを借りたいのか、接地感を残したいのかという視点で見ていくと、自分に合うおすすめモデルはかなりはっきりしてきます。
アディゼロのおすすめモデル8選
アディゼロ選びでいちばん大事なのは、シリーズ内でいちばん高価なモデルや最速と呼ばれるモデルを選ぶことではなく、自分が最も多く走る場面で気持ちよく使える一足を選ぶことで、レース本番でしか履かないシューズと普段の練習でも使うシューズでは最適解が大きく変わります。
現行ラインは役割がかなり整理されていて、フルマラソンの本命ならアディオス プロ 4、短いレースならタクミ セン 11、練習と本番をつなぐならボストン 13、万能性ならEVO SL WOVEN、扱いやすさならSL2というように、目的を先に決めるだけで候補を絞り込みやすくなっています。
ここでは、ランニングシューズとしての完成度だけでなく、どんな人が満足しやすく、どんな人がズレを感じやすいかまで含めて、おすすめ順ではなく用途別の納得感が高い順に紹介します。
アディオス プロ 4はフル本命の最有力
アディオス プロ 4は、アディゼロの中でフルマラソン本番を最も強く意識して選びたい人に向く一足で、Lightstrike Proの反発とENERGYRODS 2.0の推進感、さらに前への転がりを作りやすいロッカー形状が噛み合うため、長い距離でもフォームを前へ運びやすいのが大きな強みです。
いわゆる最上位レーサーは脚力がないと扱いにくい印象を持たれがちですが、プロ 4はただ硬くて尖っただけのモデルではなく、前作よりも履き心地や移行のしやすさを評価する声が増えているため、記録を狙う中級者が初めて本格厚底へ乗り換える候補としても十分に検討できます。
ハーフからフルのレース本番、レースペースに近いロング走、勝負用シューズとしての一本化を考えている人との相性が良く、とくに終盤に脚が沈んでストライドが落ちやすいタイプは、接地のたびに脚を押し戻してくれる感覚を得やすいです。
一方で、普段のゆっくりジョグ中心の人や、柔らかいだけの履き心地を求める人には合いにくく、価格も高めなので、日常の練習の主役というよりは、明確なレース目的がある人が性能を生かしやすいモデルだと考えると失敗しにくくなります。
タクミ セン 11は5kmからハーフで切れ味重視
タクミ セン 11は、5km、10km、駅伝のような短めから中距離のロードレースで鋭い加速感を出したい人におすすめで、LIGHTLOCKアッパーのホールド感とLightstrike Proの反発、ENERGYRODS 2.0の推進力が、コーナーやペース変化の多い展開でも足さばきを乱しにくくしてくれます。
フル向けの厚底レーサーほどボリュームに頼らないぶん、テンポよく回す感覚や接地のタイミングをつかみやすく、ピッチ型のランナーやミッドフット寄りで走るランナーには、ただ沈み込むだけではないスパッと前に抜ける走りやすさを感じやすいのが魅力です。
インターバル、レペティション、10km前後のレース、ハーフマラソンでも前半から積極的に押していきたい場面ではかなり頼れる一足で、タクミ セン特有の機敏さが欲しい人には、シリーズの中でも代わりがききにくい立ち位置になっています。
その反面、フルマラソン後半の脚保護を最優先したい人や、踵着地が強くてクッションの厚みで安心感を得たい人には少し厳しく感じやすいので、短いレースの切れ味を求めるか、長い距離の安心感を求めるかを先に決めてから選ぶのが大切です。
ボストン 13は練習と本番をつなげたい人向け
ボストン 13は、アディゼロの中でもっともバランス型に近い高機能オールラウンドモデルで、前作よりLightstrike Proの量が増え、再設計されたEnergy Rods 2.0と組み合わせることで、毎日のスピード練習からマラソン準備まで一足でつなぎやすい完成度に仕上がっています。
純レーサーほど過激ではないのに、ただのジョグシューズより明らかに推進力があり、テンポ走、ビルドアップ、マラソンペース走、長めの距離走など、速く走る練習の頻度が高い人には非常に使い勝手が良く、練習の延長で本番まで持っていきやすいのが長所です。
アディオス プロ 4ほどの高価な勝負靴をいきなり買うのは迷うが、普通のデイリートレーナーでは物足りないという人にはぴったりで、サブ4前後からサブ3台を狙う層が、練習用とレース用の境目を少し曖昧にしたいときに満足しやすい一足です。
ただし、履き味はあくまで真面目なスピードシューズ寄りで、柔らかいジョグ感覚を期待すると硬さや前足部の主張を強く感じることがあり、幅広の足や超ゆっくりペース中心の人は、最初の一足としてはEVO SLやSL2のほうが扱いやすい場合があります。
EVO SL WOVENは万能性で選びたい人向け
EVO SL WOVENは、記録志向のアディゼロらしい軽快さを残しながら、普段のランでも履きやすい万能性を重視したい人におすすめで、ADIOS PRO EVO 1に着想を得た軽量な方向性とLightstrike Proの弾みが、ジョグから少しペースを上げる場面まで気分よくつないでくれます。
レース専用機のような押しの強さに頼り切るのではなく、自分の脚でテンポを作りながら自然にスピードが上がっていく感覚を楽しみやすいため、厚底カーボンのクセが苦手だけれど、アディゼロらしい速さの雰囲気は欲しいという人に非常にハマりやすいです。
一足でジョグ、流し、テンポ走、週末の長めのランまでこなしたい人や、日常でも履けるデザイン性を含めて満足したい人には魅力が大きく、シリーズの中では履く回数が自然と増えやすいモデルなので、結果的にコスパの良さを感じやすいタイプでもあります。
その一方で、安定性を最優先したい人や、かなりゆっくりしたリカバリーランまで完全に一本化したい人には少し活発すぎることがあり、オーバープロネーション傾向が強い人は、試し履きで着地のぐらつきが出ないかを確認しておくと安心です。
ジャパン 9は接地感を残して走りたい人向け
ジャパン 9は、最近の厚底一辺倒の流れの中でも、地面をとらえる感覚を残しながらスピードを上げたい人に向くモデルで、薄底寄りの感覚と高反発のバランスが特徴的なので、足運びを自分でコントロールしたいランナーには厚底よりも気持ちよく感じることがあります。
公式情報でも21kmを意識した軽量モデルとして打ち出されているように、10kmからハーフまでのレースや、ペース走、動きづくり寄りの練習との相性が良く、沈み込みすぎないぶん接地のリズムが取りやすいので、脚を回して走る感覚を磨きたい人に合います。
厚底の反発で前へ運ばれる感覚が強すぎるとペース配分を崩しやすい人や、足裏感覚を使ってフォームを整えたい人には魅力的で、学校部活や市民ランナーのスピード練習用としても扱いやすく、派手すぎない速さを求める人にはかなり良い選択です。
ただし、フルマラソン後半の脚持ちやクッション保護を最優先したい人には向きにくく、普段から厚底に慣れている人が履くと最初は少しシビアに感じることもあるので、接地感を求める明確な理由がある人にこそおすすめしたいモデルです。
SL2は初めてのアディゼロに向く
SL2は、アディゼロの中ではかなり親しみやすい立ち位置のトレーニングモデルで、軽さを保ちながら安定性と快適性のバランスが取りやすく、毎日のジョグやペースを上げすぎない日常練習で使いやすいので、初めてアディゼロを履く人の入口として非常に優秀です。
速さだけを誇張するタイプではなく、走り始めの負担感を抑えながら、普通のデイリートレーナーよりは軽快に動ける感触があるため、これから走る距離を伸ばしたい人や、レース用シューズを別に持つ前提で練習用の基準軸を作りたい人に向いています。
初心者、サブ5前後のランナー、脚への刺激を増やしすぎたくない人、または週に何度も気楽に履ける一足を探している人にとっては、シリーズ内で最も失敗しにくい候補のひとつで、後からボストン 13やアディオス プロ 4に移る際の比較対象にもなります。
反対に、一本で記録を大きく狙いたい人や、テンポ走で明確な推進力を求める人には物足りなさが出やすく、アディゼロらしい速さの楽しさをより強く味わいたいなら、EVO SL WOVENやボストン 13のほうが満足度は上がりやすいです。
アディオス 9は薄底寄りのスピード感が欲しい人向け
アディオス 9は、フルレングスのLightstrike Proを使いながらも、いわゆるマラソン厚底とは違う軽快さを前面に出したモデルで、地面との距離を感じやすい走り味と、素早く足を抜けさせる感覚を両立したい人にとって、非常に面白い立ち位置の一足です。
最近のシューズはどれも厚くて守られすぎると感じる人や、昔ながらのフラット寄りシューズの機敏さは好きだが、反発素材の恩恵は欲しいという人にはとてもハマりやすく、5kmからハーフのレースや、短めのテンポ走、速いジョグに使うと魅力が出やすいです。
ボストン 13では少し重厚すぎる、EVO SLではやや柔らかすぎる、ジャパン 9よりもう少し現代的な反発感が欲しいという人にとっては、アディオス 9がちょうどいい中間点になりやすく、足運びのテンポを自分で作るのが好きなランナーほど楽しめます。
ただし、ラクに前へ転がしてくれるタイプの厚底ではないので、フルマラソンの後半を支えてほしい人や、疲れてもシューズ側に助けてもらいたい人には少しシビアで、あくまで走りの主体を自分で握りたい人向けのおすすめモデルです。
プライム X3 STRUNGは特別感を求める人向け
プライム X3 STRUNGは、3層のLightstrike Pro、上部のカーボンプレート、Energyrods 2.0というアディダスの技術をかなり攻めた形で詰め込んだ特殊枠で、日常のおすすめとして万人向けではないものの、長い距離を高反発で守りながら走る感覚や非日常的な厚底体験を求める人には強烈な魅力があります。
ロング走やマラソン前の脚保護を重視した速めの練習で使うと、普通の厚底よりさらに大きなボリューム感と弾みを感じやすく、ギアの面白さを楽しみながら走りたい上級者や、複数足を使い分ける前提で遊びのある一足を加えたい人には刺さりやすいです。
ただし、価格が高く、重量や高さも含めて扱いはかなり独特で、初めてのアディゼロとして選ぶには現実的ではなく、世界陸連の規定を意識する競技会ではシューズ規定の確認も欠かせないため、一般的なおすすめというよりは理解して選ぶべきモデルです。
普段使いもレースもすべて一本で済ませたい人にはオーバースペックになりやすいので、まずはボストン 13やEVO SL WOVEN、アディオス プロ 4のような主力候補を検討し、それでもなお別枠の体験価値を求めるなら候補に入れるという順番が合っています。
目的別に選ぶと失敗しにくい

アディゼロはシリーズ名でひとまとめにしやすいですが、実際の失敗はブランド選びではなく用途のズレから起こることが多く、フル本番に欲しい性能と日常練習に欲しい性能は必ずしも一致しないため、まず何に使う時間が最も長いかを明確にする必要があります。
レース本番の一回だけを重視するのか、週に何度も履く練習靴としての満足度を重視するのか、あるいは一足で両方を回したいのかによって、同じおすすめでも結論がかなり変わるので、ここでは用途別に整理していきます。
とくに迷いやすいのは、フル用としてボストン 13とアディオス プロ 4をどう分けるか、短いレースならタクミ セン 11とジャパン 9やアディオス 9をどう考えるか、普段履きはSL2とEVO SL WOVENのどちらが合うかという三つのポイントです。
フル本番は完走志向と記録志向で分ける
フルマラソン本番を第一に考えるなら、明確に記録を狙う人の本命はアディオス プロ 4で、練習から本番まで一足でつなげたい人や、扱いやすさと安定感のバランスを取りたい人はボストン 13を中心に考えると整理しやすくなります。
サブ3台やそれ以上を目指していて、レース用に別の一本を持つ意味を理解できるならプロ 4の性能差は大きく、逆にサブ4前後で練習量も限られている場合は、ボストン 13のほうが日常で使う機会が多くなり、結果として総合満足度が高くなりやすいです。
普段のジョグを快適に回しながら本番だけ速い靴を使いたいなら、SL2やEVO SL WOVENを練習軸にして、レース当日はアディオス プロ 4という二足体制が組みやすく、練習も本番も一足で済ませたいならボストン 13が現実的です。
フル終盤でフォームが崩れやすい人ほど厚底の助けは有効ですが、安定性に不安がある場合は無理に最上位へ飛ばず、まず自分の走りが最後まで再現できるかを基準にしたほうが、結果的にタイムにもつながりやすくなります。
迷ったときはこの優先順位で絞る
候補が多すぎて決められないときは、まずレース距離、次に普段の練習ペース、最後に厚底が好きか接地感が好きかという順番で絞ると、アディゼロの各モデルの役割がぶれにくくなります。
見た目や話題性から入ると似た立ち位置に見えますが、実際には得意場面がかなり違うので、自分が週のどの場面でいちばん気持ちよく走りたいかを先に決めることが、最短で正解に近づくコツです。
- フル本命で自己ベスト狙いならアディオス プロ 4
- 5kmから10kmの鋭さ重視ならタクミ セン 11
- 10kmからハーフで接地感を残したいならジャパン 9かアディオス 9
- 練習と本番を一本化したいならボストン 13
- 万能性と楽しさを両立したいならEVO SL WOVEN
- 初めての一足や日常ジョグ中心ならSL2
- 特殊な厚底体験を求めるならプライム X3 STRUNG
この順で考えれば、最初に選ぶべき主力候補はほぼ一つか二つに絞れるので、店頭で迷っても比較する観点を見失いにくくなります。
主要モデルの役割を一覧で比べる
文章だけだと違いが見えにくい人は、まず役割と注意点を一覧で見たうえで、自分の練習内容に当てはめると判断しやすくなります。
下の表は、人気の高い主力モデルを速さだけでなく使いやすさも含めて整理したもので、どれが上位互換かではなく、どれが自分の用途に合うかを見るための早見表です。
| モデル | 向く場面 | 反発感の方向 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| アディオス プロ 4 | ハーフからフル本番 | 強い前進力 | 高価で日常使いには過剰 |
| タクミ セン 11 | 5kmからハーフ | 鋭い切れ味 | 長距離後半の保護は弱め |
| ボストン 13 | テンポ走と距離走 | 安定した推進 | ゆっくりジョグには硬め |
| EVO SL WOVEN | 万能トレーニング | 軽快で自然 | 安定性最優先には不向き |
| ジャパン 9 | 10kmからハーフ | 接地感と反発 | フルの脚保護は弱い |
| SL2 | 日常ジョグ | 穏やかで扱いやすい | 勝負靴としては控えめ |
最終的には、表の中でいちばん速そうな一足ではなく、レース後半や練習終盤でもフォームを崩さず使い続けられる一足を選ぶことが、長い目で見るといちばん満足度の高い選び方になります。
レベル別に合うアディゼロは変わる
同じアディゼロでも、初心者と上級者ではシューズに求めるものが違うため、速いモデルがそのまま良いモデルになるわけではなく、今の走力や練習量に対して扱い切れるかどうかを基準にしたほうが選びやすくなります。
とくに厚底の高反発モデルは、脚への助けが大きい反面、走り方との相性が悪いと違和感も強く出るので、目標タイムだけでなく、どれだけ定期的に走っているか、どのくらい疲労管理を意識しているかも判断材料になります。
ここでは目安としてのレベル別の考え方を示しますが、絶対的な線引きではなく、同じタイム帯でも得意な距離や脚質で合う靴は変わるため、自分の強みを前提に読み替えるのがポイントです。
初心者は扱いやすさを最優先にする
走り始めたばかりの人がアディゼロを選ぶなら、最初から最上位のレースモデルに飛びつくより、SL2やEVO SL WOVENのように日常で気軽に履きやすく、フォームの再現性を保ちやすいモデルから入るほうが、練習継続のしやすさという意味で圧倒的に成功しやすいです。
初心者の段階では、シューズの推進力よりも、週に何回履いても嫌にならない快適さや、足首やふくらはぎに余計な緊張を作りすぎないことのほうが重要で、そこで無理なく距離を積めると、次にボストン 13やタクミ セン 11へ移ったときの差も理解しやすくなります。
逆に、最初の一足でアディオス プロ 4やプライム X3 STRUNGを選ぶと、速く走る日は楽しくても、日常のジョグや疲れた日の練習との相性が悪く、結局履く機会が減ってコストに見合わなくなるケースが少なくありません。
初めてのアディゼロで迷ったら、まずSL2、もう少し反発感が欲しいならEVO SL WOVEN、今後レース練習も本格化したいならボストン 13という順で考えると、ブランドの良さを無理なく体感しやすくなります。
目標タイム別の合わせ方
目標タイムで選ぶ場合は、速い人ほど上位モデルという単純な話ではなく、自分の得意距離と普段の練習内容を合わせて考えるとズレが減ります。
下の表はあくまで目安ですが、市民ランナーがアディゼロを選ぶときの方向性としてはかなり使いやすく、店頭で比較するときのベースにもなります。
| 目標の目安 | 本命候補 | 練習用候補 | 考え方 |
|---|---|---|---|
| 完走からサブ5 | SL2 | SL2 | まず継続しやすさ重視 |
| サブ4.5からサブ4 | ボストン 13 | SL2かEVO SL WOVEN | 練習と本番をつなぐ |
| サブ4からサブ3.5 | ボストン 13かアディオス プロ 4 | EVO SL WOVENかボストン 13 | レース比重で分ける |
| サブ3.5より上 | アディオス プロ 4 | ボストン 13かタクミ セン 11 | 用途別の二足体制が有効 |
| 5kmから10km志向 | タクミ セン 11 | アディオス 9かEVO SL WOVEN | 回転の速さを重視 |
タイム帯はあくまで入口なので、たとえばサブ4でも脚力が強くてレース専用靴を使い分けられる人はプロ 4が合うことがあり、逆にサブ3台でも日常の気楽さを重視するならボストン 13やEVO SL WOVENのほうが満足する場合があります。
向いていない人の特徴を先に知る
おすすめ記事では向く人ばかりが語られがちですが、合わない条件を先に知っておくと、買ったあとに思っていたのと違うという失敗をかなり防げます。
とくにアディゼロはモデルごとの差が大きいので、次のような条件に当てはまる場合は、人気モデルでも少し慎重に判断したほうが安心です。
- ふくらはぎの張りが出やすい人はタクミ セン 11やアディオス 9を長距離一本化しない
- 踵着地が強い人はジャパン 9の接地感が厳しく感じることがある
- ゆっくりジョグ中心の人はアディオス プロ 4を最初の一足にしない
- 安定性が最優先の人はEVO SL WOVENを試し履きなしで決めない
- 競技会のシューズ規定が気になる人はプライム X3 STRUNGを事前確認する
向いていない条件に一つでも強く当てはまるなら、性能が低いのではなく用途が違うだけなので、無理に人気モデルへ寄せず、自分が安心して履ける方向へ調整したほうが結果は良くなります。
買ってから後悔しない使い方

アディゼロは一足だけでも魅力がありますが、シリーズの良さが本当に見えてくるのは履き分けを始めてからで、速い靴とラクな靴を役割分担させるだけで練習の質も疲労管理も大きく変わります。
とくに高反発モデルは毎日履けば良いわけではなく、どの日に脚を使い、どの日に脚を休ませたいかを考えて使うことで、シューズの性能が味方になりやすくなります。
サイズ感や使う路面、レース規定の確認まで含めて運用できると、同じモデルでも満足度はかなり変わるので、最後に後悔しにくい使い方を整理しておきます。
ローテーションで履き分けると性能が生きる
アディゼロを上手に使うなら、日常のジョグを担う一足と、速い練習や本番で使う一足を分けるのが基本で、SL2やEVO SL WOVENをベースにして、レースやポイント練習でアディオス プロ 4やタクミ セン 11を使う形にすると、それぞれの長所が重ならずに生きます。
マラソン志向ならSL2かEVO SL WOVENを普段用、ボストン 13を強度の高い練習用、アディオス プロ 4を本番用と段階的に使い分けるとわかりやすく、短いレース中心ならEVO SL WOVENとタクミ セン 11の組み合わせがかなり機能的です。
一足しか持てない場合は、どの場面を妥協したいかを明確にすることが重要で、ジョグの快適さを捨てたくないならEVO SL WOVENかSL2、速い練習の質を上げたいならボストン 13、レース最優先ならアディオス プロ 4という考え方が現実的です。
ローテーションを組むとシューズ寿命の分散にもつながるので、結果的に高価なモデルの消耗を抑えやすく、週ごとの練習目的が明確になるぶん、シューズ選びそのものがトレーニング計画の一部として機能しやすくなります。
サイズ選びは用途で考える
アディゼロはモデルごとにフィットの方向性が違うため、同じサイズ表記でも履いた印象がかなり変わりやすく、日常用とレース用を同じ感覚で選ぶと失敗しやすいので、用途から逆算してサイズを考えるのが基本です。
とくにタクミ セン 11やアディオス プロ 4のようなレース寄りモデルは、足が動きすぎないホールド感が重要で、SL2やEVO SL WOVENのような普段用は長時間履いても窮屈になりすぎない余裕が大切になります。
- レース用は薄手ソックスを含めて前足部のブレを確認する
- 練習用は夕方の足のむくみも想定して試す
- 長い距離で使うなら指先の余裕と踵の抜けにくさを両方見る
- 幅広の人はボストン 13やタクミ セン 11を特に慎重に確認する
- 厚底は店内歩行だけでなく軽く弾んだ感覚も確かめる
サイズは速く走れそうに感じるきつさではなく、目的の距離を最後まで破綻なく走れるかで決めたほうが実戦的なので、試し履きの段階からレース当日の足の状態をイメージしておくことが大切です。
厚底と高反発の注意点を整理する
アディゼロの魅力は反発とスピード感ですが、そのぶん履き方を間違えると脚の張りや着地の不安定さにつながることもあるので、性能を上げる装置としてだけでなく、刺激を変える道具として扱う意識が必要です。
とくに厚底レーサーや特殊構造のモデルは、走力が足りないから危険なのではなく、疲労が強い日やフォームが崩れている日に無理をしやすいのが落とし穴なので、場面に応じた使い分けが欠かせません。
| 気をつけたい場面 | 起こりやすいこと | 対策 |
|---|---|---|
| 疲労が強い日のポイント練習 | 反発に頼ってフォームが乱れる | 練習内容を落とすか練習用へ変更 |
| 急な下りや曲がりの多い路面 | 厚底で接地がぶれやすい | 安定感の高いモデルを使う |
| 初めてのカーボン使用 | ふくらはぎや足裏が張る | 短い距離から慣らす |
| 規定のある競技会 | シューズルールに抵触する可能性 | 事前に主催者規定を確認する |
厚底は使いこなせば大きな武器になりますが、すべての練習を魔法のように変えてくれるわけではないので、自分の体調と目的に合わせて履く日を選ぶことが、アディゼロを長く活かすいちばん現実的なコツです。
自分の走りに合う一足を決める視点
アディゼロのおすすめを一言で決めるなら、フル本番の記録狙いはアディオス プロ 4、短いレースの切れ味はタクミ セン 11、練習と本番の橋渡しはボストン 13、万能性はEVO SL WOVEN、初めての一足と日常ジョグはSL2という整理が最もわかりやすく、ここに接地感重視ならジャパン 9やアディオス 9、特殊枠としてプライム X3 STRUNGが加わる形です。
ただし、本当に満足できる一足は最速のモデルではなく、自分がいちばん多く走る場面で自然に手が伸びるモデルなので、レース本番の一発勝負を重視するのか、日々の練習の質を上げたいのか、一足で完結したいのかを先に決めるだけで選択はかなり簡単になります。
もし迷いが残るなら、初めてのアディゼロはSL2かEVO SL WOVEN、練習を本格化したいならボストン 13、レース専用機を導入したいならアディオス プロ 4という順番で考えると、失敗が少なく、シリーズの違いも理解しやすくなります。
アディゼロは種類が多いから難しく見える一方で、目的さえ明確なら答えが出やすいシリーズでもあるので、人気や話題に引っ張られすぎず、自分の走り方と走る場面にいちばん素直に合う一足を選ぶことが、結果として最も満足度の高いおすすめの選び方です。



コメント