マラソン2時間40分は、ただ速いだけでは届きにくく、速さと持久力と再現性を高い水準でそろえる必要がある目標タイムです。
検索している人の多くは、1kmあたり何分で走ればいいのかを知りたいだけでなく、そのペースを実戦でどう刻むのか、ハーフや30kmの通過をどう見ればいいのか、さらに普段の練習をどの水準に置けばいいのかまでまとめて把握したいはずです。
特に2時間40分は、前半を気持ちよく入れたのに後半で一気に崩れる人と、序盤から慎重に刻んで最後までまとめる人との差が大きく出やすいゾーンなので、単純な平均ペースの暗記だけでは足りません。
ここではマラソン2時間40分という主軸キーワードに対して、1km平均ペース、5kmごとの通過、1kmごとの累積タイム、同ペース換算、到達しやすい走力の見方、練習メニューへの落とし込み方、本番前後の注意点まで、数字と考え方をセットで整理します。
マラソン2時間40分のペース目安
まず結論から言うと、フルマラソンを2時間40分で走り切るには、42.195kmを平均して1kmあたり約3分47秒台で刻む必要があります。
ただし現場では、スタート直後の混雑、給水所でのわずかなロス、折り返しやカーブ、アップダウン、向かい風などで秒単位の誤差が積み重なるため、数字をそのままなぞるだけではなく、どこで少し余裕を持ち、どこで整えるかまで考えておくことが大切です。
この章では、最初に必要な平均ペースを明確にし、そのうえで5kmごとの通過、1kmごとの累積、トラック換算、同ペースで見た他距離の数字、そしてこの目標が現実的に見えている人の特徴まで、目安として使いやすい形で並べます。
平均すると1km約3分47秒台で進む
マラソン2時間40分は総時間で160分なので、これを42.195kmで割ると1kmあたり約3分47.5秒となり、レースではおおむね3分47秒から3分48秒の範囲で安定させる意識が必要になります。
この数字だけを見るとわずかな差に感じますが、1kmごとに5秒遅れるだけでも全体では3分半近いロスになるため、今日は少し重いから4分前後でも何とかなるだろうという感覚では、2時間40分からすぐ遠ざかってしまいます。
逆に序盤から3分40秒前後で押しすぎると、前半は余裕があるように見えても、30km以降に脚筋持久力が先に尽きて失速しやすく、結果として平均3分47秒台を守れなくなるので、速すぎる入りも同じくらい危険です。
目安としては、時計表示の揺れに振り回されず、ラップごとに3分47秒から3分49秒へ収まっているかを確認し、気象条件やコース条件が悪い日ほど、体感を落ち着かせながら平均値へ戻す発想が重要です。
5kmごとの通過目安を先に頭へ入れる
マラソン2時間40分を狙うなら、1kmごとの細かなラップ以上に、まずは5km単位の通過時間を身体へ入れておくと、時計が乱れた場面でも全体の進行を修正しやすくなります。
特に市民マラソンでは、スタート直後や給水所の前後でGPSの表示が安定しないことがあるため、5kmの計測マット通過を基準にして速すぎるのか遅すぎるのかを判断できる状態が、本番ではかなり大きな助けになります。
| 地点 | 累積タイム目安 |
|---|---|
| 5km | 18分58秒 |
| 10km | 37分55秒 |
| 15km | 56分53秒 |
| 20km | 1時間15分50秒 |
| ハーフ | 1時間20分00秒 |
| 25km | 1時間34分48秒 |
| 30km | 1時間53分45秒 |
| 35km | 2時間12分43秒 |
| 40km | 2時間31分40秒 |
| フィニッシュ | 2時間40分00秒 |
この表は理想的なイーブンペースでの単純計算ですが、実戦では前半で数秒から十数秒のズレが出ても慌てず、10km、20km、30kmの大きな節目で戻せるかどうかを基準にすると、レース全体を壊しにくくなります。
1kmごとの累積タイムを確認する
より細かく確認したい人は、1kmごとの累積タイムをあらかじめ把握しておくと、トラック練習やペーサーなしの大会でも、自分の位置を数字で見失いにくくなります。
ただし本番で毎回のラップに一喜一憂するとリズムが壊れやすいので、この一覧は神経質に縛られるためではなく、数km単位でのズレが大きくなっていないかを落ち着いて判断するための基準として使うのが適切です。
| 地点 | 累積タイム目安 | 地点 | 累積タイム目安 |
|---|---|---|---|
| 1km | 3分48秒 | 22km | 1時間23分25秒 |
| 2km | 7分35秒 | 23km | 1時間27分13秒 |
| 3km | 11分23秒 | 24km | 1時間31分00秒 |
| 4km | 15分10秒 | 25km | 1時間34分48秒 |
| 5km | 18分58秒 | 26km | 1時間38分35秒 |
| 6km | 22分45秒 | 27km | 1時間42分23秒 |
| 7km | 26分33秒 | 28km | 1時間46分10秒 |
| 8km | 30分20秒 | 29km | 1時間49分58秒 |
| 9km | 34分08秒 | 30km | 1時間53分45秒 |
| 10km | 37分55秒 | 31km | 1時間57分33秒 |
| 11km | 41分43秒 | 32km | 2時間01分20秒 |
| 12km | 45分30秒 | 33km | 2時間05分08秒 |
| 13km | 49分18秒 | 34km | 2時間08分55秒 |
| 14km | 53分05秒 | 35km | 2時間12分43秒 |
| 15km | 56分53秒 | 36km | 2時間16分30秒 |
| 16km | 1時間00分40秒 | 37km | 2時間20分18秒 |
| 17km | 1時間04分28秒 | 38km | 2時間24分05秒 |
| 18km | 1時間08分15秒 | 39km | 2時間27分53秒 |
| 19km | 1時間12分03秒 | 40km | 2時間31分40秒 |
| 20km | 1時間15分50秒 | 41km | 2時間35分28秒 |
| 21km | 1時間19分38秒 | 42km | 2時間39分16秒 |
| ハーフ | 1時間20分00秒 | 42.195km | 2時間40分00秒 |
一覧を見て苦しく感じる人ほど、本番では1kmごとの数字を追いすぎず、5kmごとの目標と30km以降の余力管理を優先したほうが、結果的に平均ペースへ収束しやすくなります。
トラック換算では400m約1分31秒が基準になる
普段の練習でマラソン2時間40分の感覚を身体へ覚え込ませたいなら、ロードの3分47秒台だけでなく、400m、200m、1000mへ分解して覚えると、スピードの再現性が上がります。
この目標の換算では400mが約1分31秒、200mが約45.5秒、1000mが約3分47秒台となるため、トラックのマラソンペース走や、最後だけ少し上げるビルドアップの終盤でリズム確認に使いやすい数字です。
特に風の影響が少ないトラックでは、最初の数本だけ速く入ってしまう失敗が起きやすいので、1本ごとの通過を抑え気味に入り、呼吸と接地の落ち着きが保てるかを合わせて見ることが大切です。
トラックで気持ちよく出せるペースと、42.195kmを最後まで押し続けられるペースは同じではないため、楽に速い感覚ではなく、無理なく巡航できる感覚として3分47秒台を体へ染み込ませることを優先してください。
前半ハーフは最速で入るより整えて入る
理論上はハーフ通過がちょうど1時間20分ですが、2時間40分を安定して狙うなら、前半で大きく稼ぐよりも、1時間19分台後半から1時間20分台前半あたりへ落ち着いて収める考え方のほうが再現性は高くなります。
理由は単純で、2時間40分を目指すランナーにとって勝負所は30km以降であり、前半で30秒から1分を稼いでも、脚と補給が破綻すればその貯金は簡単に消えるからです。
序盤に余裕を感じる日は、どうしても周囲の集団へ合わせて少し速くなりがちですが、5kmごとの通過が18分40秒台や18分50秒前半へ寄り始めたら、楽に見えても自分のレースでは速いと判断したほうが安全です。
前半ハーフはあくまで後半へ脚を運ぶための準備区間だと考え、呼吸、接地、補給、集団位置を整えながら1時間20分前後で通過できると、30km以降の勝負でタイムを残しやすくなります。
同じペースで走った場合の他距離の目安も知っておく
マラソン2時間40分の数字を理解しやすくするには、同じ巡航ペースのまま5km、10km、ハーフ、30kmを走ったときにどのくらいのタイムになるかを見ておくと、練習設定や感覚の照合がしやすくなります。
この換算はあくまでマラソンペースをそのまま当てはめた数字なので、実際のレースでは5kmや10kmのほうが当然速くなるはずですが、長いペース走や進捗管理では非常に使いやすい目安になります。
| 距離 | 同ペース換算タイム | 見方 |
|---|---|---|
| 5km | 18分58秒 | マラソンペースの確認 |
| 10km | 37分55秒 | 余裕度の判断材料 |
| 15km | 56分53秒 | 中盤の巡航確認 |
| ハーフ | 1時間20分00秒 | 前半通過の基準 |
| 30km | 1時間53分45秒 | 失速有無の確認 |
練習で10kmを37分55秒前後で走っただけでは2時間40分達成の保証にはなりませんが、少なくともマラソンペースの巡航感を知る材料にはなるので、ペース走の中で身体の反応を確認する際に役立ちます。
この目標が見えている人と見直したい人の違い
マラソン2時間40分が現実的に見えやすいのは、速さそのものよりも、週単位で安定して走れ、マラソンペース走の翌日も大きく崩れず、30km以降にフォームを残せる人です。
反対に、短い距離ではかなり速く走れるのに、ロング走や補給の練習を軽視していたり、疲労が抜ける前に強い練習を重ねて継続性を失っていたりすると、計算上のペースは理解していても本番で再現しにくくなります。
- 週ごとの走行リズムが安定している
- マラソンペース走で呼吸が暴れにくい
- 30km付近で接地が落ちにくい
- 補給の練習を本番前に試している
- 序盤を抑える判断ができる
- 故障で練習が途切れにくい
この目標が遠く感じる場合でも、足りないのが絶対的スピードなのか、持久力なのか、補給や配分の未熟さなのかを切り分ければ伸ばし方は見えてくるので、数字に圧倒されるより課題の種類を見極めることが先です。
レース当日に崩れない配分の考え方

マラソン2時間40分のペースは、紙の上では3分47秒台を並べれば完成しますが、実戦ではその数字を崩さないための配分設計のほうがはるかに重要です。
スタート直後の混雑で数秒遅れたからといってすぐ取り返しに行くと、体感は小さな無理でも代謝的には確実に負担が増え、後半でそのツケを払うことになりやすいので、配分は常に長い視点で考える必要があります。
ここではスタートから10kmまでの入り方、補給と給水の扱い、コース条件への補正という三つの観点から、2時間40分を狙う際にタイムを守りやすい組み立て方を整理します。
スタートから10kmまでは取り返さない勇気が必要
号砲直後は周囲の流れが速く見えやすく、しかも身体が軽く感じるため、想定より数秒速いラップが簡単に出ますが、2時間40分狙いではその数秒の積み重ねが後半の脚づくりを壊す原因になります。
スタート地点の混雑で最初の1kmが3分50秒台や3分52秒になっても、次の1kmで無理に3分42秒へ戻すのではなく、数kmかけて自然に平均へ近づけるほうが、心拍と筋出力を安定させやすくなります。
逆に前の集団が心地よく感じて付いていった結果、5km通過が目安より15秒から20秒速いだけでも、後半の補給吸収やフォーム保持へじわじわ影響するので、序盤の気持ちよさを実力と勘違いしないことが大切です。
2時間40分は前半の派手さより、10kmまでを静かに整えられる人が最後に強く、時計の数字以上に呼吸、接地音、腕振りの力みをチェックできるかでレースの質が決まります。
補給と給水は失速を防ぐ動作として設計する
マラソンでは走力が足りていても、補給と給水の扱いが雑だと30km以降で一気に失速することがあるため、2時間40分狙いではペース管理と同じくらい補給管理を事前に決めておく必要があります。
特に速い集団の中では、給水所へ入る瞬間にリズムが乱れたり、ジェルを飲むタイミングで呼吸が浅くなったりしやすいので、何kmで何を取るかを曖昧にせず、レース前に手順まで固めておくことが重要です。
- 序盤は喉が渇く前に少量でも口へ入れる
- ジェルは苦しくなる前に予定通り入れる
- 給水所手前でラインを早めに決める
- 取り損ねても慌てて全力で戻らない
- 摂った直後の呼吸とフォームを整える
- 本番前に胃腸との相性を試しておく
補給は根性で我慢する項目ではなく、最後まで3分47秒台を維持するための前提条件なので、うまく走れた日の練習内容だけでなく、何をどこで摂ってどう感じたかも必ず記録しておくと再現性が高まります。
アップダウンや風では平均ではなくロス最小で考える
フラットなコースならイーブンに近い進行が理想ですが、橋や折り返し、向かい風、気温上昇がある大会では、毎kmの表示を完全一致させることより、無駄に脚を削らないことを優先したほうが最終タイムはまとまりやすくなります。
上りで平地と同じペースへ固執すると必要以上に出力が上がり、下りで取り返そうとしすぎるとブレーキ筋が疲れて、30km以降の失速要因を自分で増やしてしまうので、条件に応じた補正はむしろ必要です。
| 状況 | 考え方 | 意識したい点 |
|---|---|---|
| 長い上り | 秒数より出力優先 | 呼吸と接地を乱さない |
| 下り | 自然に乗る | 着地ブレーキを強くしない |
| 向かい風 | 集団活用 | 単独で前へ出すぎない |
| 高温 | 前半を抑える | 給水回数を減らさない |
| 折り返し多め | ラップのズレを許容 | 5km単位で再確認する |
2時間40分を狙う人ほど少しのロスを嫌いますが、条件の悪い地点で無理に帳尻を合わせるより、消耗を抑えて後半の失速幅を小さくしたほうが、結果として目標へ近づきやすくなります。
2時間40分を狙える走力の目安
マラソン2時間40分のペースを知った次に気になるのが、その数字を現実的に狙えるだけの走力が自分にあるのかという点です。
ただしフルマラソンは短い距離のタイムだけで単純に決まる競技ではなく、スピード、持久力、補給耐性、故障なく積める練習量がそろって初めて成立するので、単一の指標へ頼りすぎるのは危険です。
ここでは10kmやハーフのレース結果、30km前後の練習内容、そして現時点で届かない場合の考え方の三つから、2時間40分を狙う判断材料を現実的な目安として整理します。
10kmとハーフの結果は一つの判断材料になる
一般的には、マラソン2時間40分を狙える人は10kmで35分前後、ハーフで1時間17分前後をひとつの目安として見てよい場面が多く、短い距離のスピードがまったく足りない状態ではフルの巡航も苦しくなりやすいです。
ただし10kmが速くてもロング走が弱ければフルでは崩れやすく、逆にハーフや30kmで強さを出せる人は、10kmの数字がやや平凡でもマラソンへつながる場合があるので、目安は絶対条件ではありません。
| 指標 | 目安タイム | 読み取り方 |
|---|---|---|
| 5km | 16分台後半から17分前後 | スピード余力の確認 |
| 10km | 35分前後 | 巡航能力の土台 |
| ハーフ | 1時間17分前後 | 持久力との整合性確認 |
| 30km走 | マラソンペース近辺で安定 | 本命指標になりやすい |
レース結果を評価するときは、単に一番速い記録を見るのではなく、そのタイムがどの季節に出たのか、コースや気象条件はどうだったのか、直後の回復はどうだったのかまで含めて読むと、フルへの転換可能性を判断しやすくなります。
練習で見たいのは30km以降へつながる持久力
マラソン2時間40分の可否をより強く左右するのは、短いレースの派手な記録より、マラソンペース付近で長く動き続けられる持久力と、疲労がたまった状態でもフォームを保てる能力です。
たとえば25kmから35kmのペース走や、ロング走の後半だけマラソンペースへ上げる練習で、呼吸に余裕を残したまま接地が潰れないなら、フルへの適性はかなり高いと見てよいでしょう。
- ロング走後半でも骨盤が落ちにくい
- マラソンペースで会話は無理でも呼吸が暴発しない
- 翌日に強い筋ダメージを残しすぎない
- 補給を入れても胃腸が乱れにくい
- 数週間単位で同系統の練習を継続できる
- 疲労時にも上下動が大きくならない
このタイプの強さはSNS映えしにくい一方で本番には直結しやすいので、派手なインターバルよりも、地味でも再現できる長めの持久系練習をどれだけ積めたかを重視することが大切です。
まだ届かないときは足りない要素を分解する
現時点でマラソン2時間40分が遠いと感じても、短い距離が弱いのか、マラソンペースの巡航が弱いのか、後半の耐久力が弱いのかを分けて考えれば、次に伸ばすべき要素はかなり明確になります。
10kmのスピード不足が大きい人は、まず閾値走やインターバルで巡航速度の上限を上げる必要があり、逆に10kmは十分でもフルで崩れる人は、ロング走、補給練習、暑熱対策、序盤の自制といった別の改善点が潜んでいることが多いです。
また、月間走行距離だけを増やしても質が伴わなければ届きにくく、強い練習ばかりで故障が増えれば積み上げも止まるので、自分にとって不足しているのが量なのか質なのか、それとも継続性なのかを見誤らないことが重要です。
目標から逆算したときに遠く見える場合でも、半年前より10kmの余裕度が増えた、25kmの巡航が安定した、補給で失敗しなくなったという変化があるなら、2時間40分への土台は確実に積み上がっています。
練習メニューへ落とし込む方法

マラソン2時間40分を現実へ近づけるには、ペース表を眺めるだけで終わらせず、週間スケジュールの中へどのように練習を配置するかまで決める必要があります。
特にこのレベルでは、すべての練習を速く走るのではなく、疲労を抜く日、閾値を触る日、マラソンペースを身体へ覚え込ませる日、長く脚を使う日を役割分担させたほうが、結果として質も量も両立しやすくなります。
ここでは週間構成の考え方、2時間40分へつながりやすい代表的なキー練習、そして故障やオーバートレーニングを防ぐための疲労管理について整理します。
週間構成は強弱をはっきり分ける
2時間40分を狙うランナーほど、毎日そこそこ速く走るより、強い日と軽い日を明確に分けたほうが、狙った刺激を入れやすく、かつ疲労も抜きやすくなります。
理想は週に二つ前後の質の高い練習と一本のロング走を軸にし、それ以外の日は回復ジョグや補強へ回して、次のポイント練習でしっかり動ける状態をつくることです。
- 一日は閾値系で巡航力を上げる
- 一日はマラソンペース走で再現性を高める
- 週末はロング走で脚筋持久力を作る
- 回復日は遅すぎない楽なジョグにする
- 補強と睡眠を練習の一部として扱う
- 疲労が強い週は本数より継続を優先する
この組み立てなら、単発の好調不調に左右されにくく、数週間単位で積み上げやすいので、記録更新を狙うシーズンほど派手さより再現性を重視したいところです。
代表的なキー練習は目的ごとに選ぶ
2時間40分を目指すうえで有効な練習は一つではなく、巡航力、乳酸処理能力、後半の耐久力という目的ごとに分けて考えると、なぜそのメニューを入れるのかが明確になります。
たとえば閾値走であれば20分から30分を安定して押す練習、マラソンペース走であれば12kmから20km前後の巡航、ロング走であれば後半だけペースを引き上げる変化を入れると、レースとの接続が見えやすくなります。
| 練習 | 狙い | 実施イメージ |
|---|---|---|
| 閾値走 | 巡航上限を上げる | 20分から30分を一定で押す |
| マラソンペース走 | 目標ペースの定着 | 12kmから20kmを3分47秒台前後 |
| ロング走 | 脚筋持久力 | 25kmから35kmを余裕度重視で実施 |
| 変化走 | 後半の粘り | 最後だけマラソンペースへ上げる |
| 補強併用ジョグ | 故障予防 | 軽い日へ組み込む |
重要なのは、どの練習でも終わった瞬間の満足感ではなく、翌週も積み上げられる強度に収めることで、一本だけ完璧でも数週間流れが切れれば、フルマラソンの結果にはつながりにくくなります。
疲労管理が甘いとペース計算は意味を失う
マラソン2時間40分の練習では、目標ペースを知っていても、疲労が抜けないままポイント練習を重ねると、本来必要な巡航感覚をつかめず、速いか遅いかの判断そのものが鈍ってしまいます。
疲労が強い週は、設定通りに走り切ることより、量を少し落としてフォームの質を保つほうが長い目では有利で、特にふくらはぎ、ハムストリング、臀部の張りが強いときは無理な押し込みを避けるべきです。
また、暑い時期や仕事の負荷が高い時期は、同じ3分47秒台でも内的負荷が大きく上がるため、数字だけを追って調子を壊すより、その日の体調と心拍の反応を見ながら調整したほうが賢明です。
速くなる人ほど疲労管理が上手く、走れない日をゼロか百で捉えず、軽いジョグや休養でつなぎながらシーズン全体の完成度を上げていくので、休む判断も実力の一部として考えてください。
本番前後で差がつく準備
マラソン2時間40分は、当日だけ頑張れば届く水準ではなく、前日までの食事と睡眠、当朝の行動、スタート前の準備、レース後の回復まで含めた総合力で結果が変わります。
とくに速いペースで長く走るほど、わずかなエネルギー不足や脱水、シューズトラブル、補給の失敗が後半へ大きく響くため、準備面を軽視すると練習で作った走力を本番で出し切れません。
ここでは前日の整え方、当日に迷わない持ち物、そして2時間40分狙いで起こりやすい失速パターンを確認して、当日のミスを減らすための実務を整理します。
前日は食べすぎより整える意識が重要
カーボローディングを意識するあまり、前日に普段食べない量まで無理に詰め込むと、胃腸の張りや睡眠の質の低下につながり、当日のスタート時点で身体が重くなることがあります。
大切なのは、数日前から炭水化物中心へ少しずつ寄せつつ、脂質や刺激物を控え、当日にトイレや胃もたれで困らない範囲でエネルギーを確保することで、極端な食べ方をしないほうが結果は安定しやすいです。
また、前日は緊張で睡眠が浅くなりやすいので、一晩の睡眠時間だけにこだわるより、前々日までを含めた数日間で睡眠不足をためないことと、就寝前に不安材料を増やさないことが重要です。
前日の過ごし方は特別な裏技より、いつも通りに近い行動を丁寧に再現することが最も強く、食事、入浴、移動、受付、就寝の順番を毎回大きく変えないだけでも本番の安定感は上がります。
当日の持ち物はペース維持の道具として考える
当日の持ち物は忘れ物防止のためだけでなく、2時間40分という高い巡航を最後まで支えるための装備として考えると、優先順位がはっきりします。
特にシューズ、補給、ウェア、計測機器、ワセリン類は、どれか一つ欠けてもフォームや集中力へ影響するため、前夜のうちに並べて確認し、当朝に考える項目をできるだけ減らしておくのが理想です。
- レース用シューズと替えの靴下
- 予定した数のジェルと塩分対策
- ゼッケンと安全ピン類
- GPSウォッチの充電確認
- ワセリンやテーピング類
- 防寒用ポンチョや手袋
- 会場までの動線メモ
持ち物準備が整うとスタート前の焦りが減り、入りの無駄な興奮も抑えやすくなるので、結局は最初の5kmを落ち着いて入る助けにもなります。
失速しやすい場面を先に知っておく
マラソン2時間40分を逃す典型例は、単純な実力不足だけでなく、序盤のオーバーペース、補給不足、暑さ対応不足、集団選びの失敗など、事前に防げる要因がかなり含まれています。
よくある失速パターンをあらかじめ言語化しておくと、レース中に同じ兆候が出たとき、根性で押すのではなく被害を最小限にする判断へ切り替えやすくなります。
| 失速パターン | 起こりやすい場面 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 序盤の突っ込み | スタートから10km | 5km通過を最優先で確認 |
| 補給遅れ | 20km以降 | 苦しくなる前に摂る |
| 脚攣り傾向 | 30km以降 | 出力と給水を早めに調整 |
| 集団依存 | 中盤 | 自分の呼吸とフォームで判断 |
| 暑さの過小評価 | 前半全般 | 入りを抑えて給水を増やす |
目標タイムへ執着するほど異変を認めたくなくなりますが、崩れ始めた瞬間に少し修正できる人のほうが、結果として大失速を避けて2時間40分付近へまとめやすいです。
2時間40分達成へ近づく考え方
マラソン2時間40分のペース目安は、数字だけで言えば1km約3分47秒台、ハーフ1時間20分、30km1時間53分45秒、40km2時間31分40秒ですが、本当に大切なのは、その数字を身体と行動へ変換できるかどうかです。
レースでは、スタート直後に取り返さない勇気、5kmごとの通過を使った落ち着いた確認、補給と給水を予定通り回す準備、アップダウンや風で出力優先へ切り替える判断が、最終タイムを大きく左右します。
また、到達しやすい人は短い距離のスピードだけでなく、マラソンペースの再現性、30km以降のフォーム維持、故障なく練習を継続する力を備えており、週間構成でも強い日と軽い日を分けながら積み上げています。
数字を覚えるだけで終わらせず、今日の練習でどの感覚を身につけるのか、次のレースでどの区間をどう運ぶのかまで落とし込めれば、マラソン2時間40分は遠い記号ではなく、現実的に狙うべき具体的な目標タイムへ変わっていきます。



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